Momo Kanayama

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【Role Model Interview】MOMO KANAYAMA

【Role Model Interview】vol.20 MOMO KANAYAMA

ライター:佐藤万斐

Women in Technologyは、日本のテック業界におけるジェンダーギャップをなくし、ダイバーシティアンドインクルージョンを促進することをミッションに掲げています。

このRole Model Interviewを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になること、そして一人でも多くの方々にIT業界で働く可能性について知ってほしいと思っています。

そこでIT業界の最先端で働く様々な方達にインタビューし、彼ら/彼女たちの熱意、想い、経験やストーリーを共有することにしました。

今回は、LVMH フレグランス ブランズ株式会社のジェネラルマネージャー、金山桃さんにインタビュー。フランスと日本の架け橋となる夢を叶えた彼女のサクセスストーリー、責任者ならではの葛藤とは?

Q1. 自己紹介をお願いします!

初めまして、金山桃と申します。日本人でありながら、フランスや海外で過ごした時間が長かったため、私はよく自分を日本の心を持ったフランス人と表現しています。

日本で生まれ、5歳のときに家族でフランスに移住しました。当初は短期滞在の予定でしたが、結局その後20年間フランスに滞在しました。 両親はオープンマインドだったので、当初から私にフランス語の教育を受けさせ、最終的にビジネススクールまで行きました。 卒業後はロレアルでキャリアをスタートし、 結婚によってイギリスに拠点を移したこともありましたが、5年前に日本に帰国しました。

Q2. 最初のキャリアでロレアルを選んだ理由を教えてください!

学生時代、ロレアルでインターンシップに参加したことがきっかけです。最終的には日本に戻り、フランスと日本の間の架け橋になりたいと考えていたので、グローバルな企業を選びました。

Q3. 海外勤務後、日本に戻って働いた経験はいかがでしたか?

文化の違いを圧倒的に感じました。

例えばヨーロッパでは、会議は主に意思決定の場。効率を重視し、発言の有無も大変重要になってきます。日本では、会議は議論と分析のための重要な「プロセス」として捉えられることも。この違いに慣れるには時間がかかりましたが、両方の違いを尊重することに努めています。

また、海外では、ディスカッションを通してアイディアを膨らませることもあるため、自分の意見やアイディアを伝えることがとっても大事なこととして捉えられています。私自身もこの方法をよく使ってチームにアイディアを投げて議論してもらっていました。

ただ、このアプローチは、議論に対して積極的で肯定的である環境ではうまく行きますが、日本など自己主張がマイナスの性質として認識されることがある文化では、意見の上に意見を重ねることは「マウンティング」とも捉えられてしまうことがあると学びました。今は特に立場上のこともあって、発言や行動には気をつけるようにしています。

Q4. 文化の違いやマネジメントにおける課題を克服するために何かされたことはありますか?

チームで共通の目標を共有し、共通のビジョンの下で団結することの重要性を強調しています。 あとは、チームのこれまでの成果を認め、前向きでやる気に満ちた雰囲気を維持しながら、より実質的な目標の達成に向けてチームを導くようにしています。

また、ジェネラルマネージャーとして意識しているのが、縦割り組織を打破し、チームメンバー間のコミュニケーションを促しフラットなカルチャーづくりをすること。 風通しがよく、インクルーシブな企業文化のために、オープンなワークスペースの準備、ランチミーティングやチームイベントを企画しています。また、当社の組織は比較的フラットな組織なので、立場を問わずチームメンバーと積極的に関わるようにしています。インターン生にも直接意見を求め、よりオープンなコミュニケーションを心がけています。

Q5. 日本では、女性の管理職を30%にするという目標を掲げていますが、社会としての現状はまだまだです。金山さんの部署ではいかがでしょうか?

LVMH フレグランス ブランズ株式会社では、男性に比べて女性従業員の比率が高いです。 従業員約 200名のうち、約50名がオフィスで働いていて、マーケティング、人事、小売、ECなどの分野で女性管理職も在籍しています。

海外拠点には、私を含め女性のジェネラルマネージャーもかなりの数がいます。 ただし、今国内のLVMHビューティー部門の責任者は私一人です。

Q6. 同様に、ダイバーシティとインクルージョンの状況についても教えてください。

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン・ジャパン社長、ノルベール・ルレ氏は、ダイバーシティ&インクルージョンに積極的に取り組んでいて、国籍や性別を問わず積極的に人材の採用を推進しています。 他の企業の採用に関しても指導を行っています。

ただ、私もジェネラルマネージャーとして頻繁に人事部門とやり取りしますが、人材の獲得と採用への課題は常にあります。圧倒的に人材が不足しているにもかかわらず、適切な人材の獲得に苦労しています。

Q7. ジェンダーギャップをなくし、ダイバーシティ&インクルージョンを促進するためにはどのような対策が必要だと思いますか?

シニア世代の雇用、若い人材が働きたいと思える環境や企業文化作りなど、人材やリーダーを育成するために、企業の方から積極的に行動しないといけないと思います。

女性人材の成長を促すためには、女性が選択を迫られずにライフスタイルを追求できる環境を整備し、「Have-it-all」が実現できる場所を提供しなければいけません。

日本語でとあるポッドキャストを聞いていたところ、「勉強してキャリアを積み、子育てをしたいと思っているが、何を選択して何を諦めるべきか分からない」という女性からの質問がありました。 本来は、それが選択式であってはいけないと思っているので本当に残念に思いました。

女性をサポートする環境を整えるのは企業の義務ですが、これを成功させるためには、女性自身も声を上げ、課題や必要なサポートを訴えていく必要があると思っています。

私自身も人事部と話すときは、色んなバックグラウンドを持った方や私と似ている境遇の人などを採用するよう勧めています。 やる気のある人にはチャンスが行き渡るように。変化を起こすには、まずは自分ができることから始めることが大切だと信じています。

Q8. ワーキングマザーとして、何か心がけていることはありますか?

母親であるということは、永遠の学びのサイクルだと思っているので、良い母親になれるように常に学び続ける姿勢を持つこと。

その上で心がけていることの1つは、娘と一緒にいるときは、たとえバスに乗っているたったの10分間でも、その時間を全力で娘と過ごすことに集中しています。

Q9. 目標やキャリアゴールについて教えてください!

決してあきらめないこと。 謙虚に学び続けること。

キャリアゴールに関しては、ジバンシィブランドを成功させることに全力で取り組んでいます。 合計37 店舗の150人のスタッフからなる私のチームは信じられないほどの可能性があると感じています。目標をチーム一丸となって達成できるよう邁進したいと思います。

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WITJは、このRole Model Storyを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になることを望んでいます。

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