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【Role Model Interview】Miyoko Demay

Role Model Interview – Miyoko

エディター・ライター:佐藤万斐

“You cannot be what you don’t see”

“知らないものにはなれない”

昨今、女性活躍推進のために様々な取組みを始めた企業が多いですが、未だに大学でコンピューターやエンジニアリングを専攻する女性は15%に満たず、ソフトウェアクリエイターの女性割合は14%だそう。その背景には、その仕事を身近にやっている人がいない、イメージしにくいと言う現状もあると信じています。

そんな背景もあって私たちは、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になること、そして一人でも多くの方々にIT業界で働く可能性について知ってほしいと思っています。そこでIT業界の最先端で働く様々な方達にインタビューし、彼ら/彼女たちの熱意、想い、経験やストーリーを共有することにしました。

今回は、ティファニー・ジャパンの元代表取締役社長のMiyokoさんにインタビュー。現在はLuxury Retail & Strategy Consultantとして活躍する彼女のキャリアパス、仕事観、ストーリーとは?

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Q1. ラグジュアリー業界に就職された背景を教えてください!

アメリカで大学を卒業後、ニューヨークの日系銀行に現地採用で就職しました。ただ、現地採用だとキャリアパスが限定されていたため、別の仕事をやってみたいと考えていました。

そんなとき、彼氏(今の旦那さん)からプロポーズを受けて、ダイアモンドの婚約指輪を買うことになりました。高い買い物なので納得したものを購入してもらいたいと思い、GIA*にいってダイアモンドの勉強をすることにしたんです。なんでも興味があると徹底的に調べる性格で(笑)

そうしたら銀行で一緒に仕事をしていた友達が、ティファニーが人を探しているから応募してみたら?と声をかけてくれ、それがきっかけでティファニーのビジネスセールス職(BtoB)に応募して就職しました。

*GIA – 世界最大の非営利の宝石学研究・教育機関

Q2. プロポーズがきっかけでダイヤモンドの勉強を始めたんですね!勉強熱心なMiyokoさんのパッションが伝わってきます。その後ティファニーではどのようにキャリアを築いてきましたか?

ハワイで結婚式を挙げたことがきっかけでハワイに住んでみたいという気持ちが大きくなり、異動希望を出して移住しました。

実は、ハワイ支店は当時大半が日本人顧客だったということもあり海外管轄部門で、ビジネスセールス部署はありませんでした。ただ、自分から手を挙げて相談し、ハワイでビジネスセールスを新規ではじめることに賛成してもらったんです。

Q3. 興味を持ったことはとにかくやってみる、話してみる、Miyokoさんのその行動力、とても尊敬します!元々社内は話しやすい雰囲気だったのですか?どんな部分を意識してアプローチしましたか?

はい、興味を持ったことや手を挙げたことに対して比較的オープンに話ができる会社でした。また、何か新しい事業が立ち上がったりクロスファンクショナルなチームが編成されるときに自分の名前が上がるように、普段から周りのメンターやスポンサーと積極的にコミュニケーションをとる意識をしていました。

メンターは、何か困ったことがあったときに悩みを相談したり、頼りになる人。スポンサーは逆で、自分の弱みを見せずに、やりたいことや伸ばしたい能力をアピールする対象です。

Q4. メンターとスポンサーに対してのアプローチ、とても勉強になります!ラグジュアリー業界でのやりがいはなんですか?

たくさんの素敵なプロジェクトに携われたこと。素敵な人たちに出会えたことですね。

ラグジュアリー業界は、ブランド間で転職する人もいたりと横の繋がりが強いのでファミリー感がある業界です。仕事の上では競合ですが、同じ環境で仕事をしているからか、好きなものや趣味も似ている友人も出来やすく、みんなでこの業界を盛り上げていくことが出来る心強い仲間のいる場所でもあります。

Q5. 仕事をする上で心がけていることや大切にしていることはありますか?

ダイヤモンドの価値を決める「4C」というものがあるのですが、自分の中で大切にしている仕事をする上での基本理念の「4C」があります。

Curiosity(好奇心・興味を持つこと), Confidence(自信を持つこと), Courage(勇気を持つこと), Compassion(思いやりを持つこと)です。

特に思いやりの部分では、自分がどんな仕事をするかだけではなくて、自分の仕事がどう周りに影響を与えているかという事や、”Positive reinforcement”(良いところをきちんと評価して伸ばす) を意識しながら思いやりを持って周りとコミュニケーションをとるようにしています。

Q6. ティファニー・ジャパンの代表でもあり、母でもあるご自身の経験から、女性が安心して管理職を目指せるようにするにはどんなことが大切ですか?

まず、企業ができることは、具体的に一人ひとりが自分のキャリアパスをイメージできるようにすること。その為には、ロールモデルを育成し、その方達とのメンタリングセッションを提供するなど色々な方法があると思います。あとはみんなが心地よく働きやすい環境を作ることですね。

個人でできることは、何事にも完璧を求めるのはやめること。一番大切なのはバランスなので、自分の中での優先順位をしっかり見極めて、手を抜くところも決めるんです。


私自身もそうですが、リーダーとして母親としていくら努力してもどうしても足りないことはでてきます。自己分析して自分の強みと弱みをしっかり理解して、できることは頑張って、できないことはできる方に任せる。できないことでくよくよしないことが大切です。

自分の強みと弱みを理解するには、360度評価がおすすめです。自分に対する評価は自分自身が一番厳しいですが、周りからの自分の評価って自分が思ってるのと違ったりします。社内でもランチにいって同僚や友達にカジュアルに聞いてみると新しい発見ができるかもしれませんね。

Q7. ワーキングマザーとして心がけていることはありますか?

息子が1人いますが、幼い頃から自分が努力しているところを息子に見せるようにしていました。例えば、プレゼンやスピーチの準備を見てもらい、感想を聞かせてもらっていました。息子と一緒に過ごす時間も増えますし、どういう仕事をしているのかということを理解してもらえたと思います。

Q8. 今のタイミングで離職された理由を差し支えなければ教えてください。
主人と息子がニューヨークに住んでおり、日本にいる間は単身赴任をしていました。今年はその息子が高校3年になり、大学受験の重要な年で、また来年は巣立ってしまうというタイミングなのです。とても悩みましたが、仕事は復帰できるけど、息子と一緒に生活できるのは最後の年。ティファニーも30年という素晴らしい節目でもありますし、意を決して一緒に過ごす方向で退職しました。

Q9. 退職されてから現在ニューヨークではどのような生活をしていますか?

以前通っていたコロンビア大学院のクレジットがまだ残っていたので授業を受けつつ、趣味を通してスキルアップしたり、息子のために朝食を作ったり、家族との時間を大事にしてます。

Q10. 最後にこのインタビューの読者にメッセージをお願いします!

“Live as if you were to die tomorrow, learn as if you were to live forever.”

明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学びなさい

私が好きなガンジーの言葉です。

人にもよりますが、私たちの多くがは1日の大半を仕事に費やしていると思います。わたしがスタッフによく言っていたのは、せっかく長い時間一緒に過ごすのだから楽しくやりましょう、ということ。

仕事って嫌なことももちろんありますが、自分で考えて自分の力で行動すると楽しくなるものです。言われたことだけをやるのではなく、言われたことをどう工夫したらよくなるのか、その仕事が何の為になっているのか考えて行動をする。

“Is the glass half empty or half full?” アメリカではコップ半分に入っている水をどう捉えるかよって、その人の物事に対する見方(悲観的か楽観的)を示しているといいます。

グラスに水が半分しかないと見ますか、それとも半分も残っていると見ますか?

考え方、働き方、物事の見方次第で仕事は面白くなります。
自分で自分にチャレンジしながら、仕事に責任と誇りとパッションを持って楽しみましょう!

いつまでも好奇心を持って学び続け、失敗を恐れずにつねに前進していきたいですね。

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WITJは、このRole Model Interviewを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になることを望んでいます。

NEWS / お知らせ

キャリアについて、業界について、組織のリーダーとして活躍するMiyokoさんと、メンターディナーを開催します。フレンチのコースを頂きながらカジュアルにお話できる大変貴重な機会となっております。

<ディナー概要>
日時:12月1日(木)7:00pm~9:00pm
場所:Le Pot Aux Roses, 東京都港区元麻布3-11-2 カドル麻布十番5階
会費:8,000円(税込、ドリンク代別)

参加お申し込みはこちらのフォームから。
受付は先着順となりますので、どうぞお早めにお申し込みください。

皆様のご参加、心よりお待ちしております。