エディター・ライター:佐藤万斐
“You cannot be what you don’t see”
“知らないものにはなれない”
昨今、女性活躍推進のために様々な取組みを始めた企業が多いですが、未だに大学でコンピューターやエンジニアリングを専攻する女性は15%に満たず、ソフトウェアクリエイターの女性割合は14%だそう。その背景には、その仕事を身近にやっている人がいない、イメージしにくいと言う現状もあると信じています。
そんな背景もあって私たちは、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になること、そして一人でも多くの方々にIT業界で働く可能性について知ってほしいと思っています。そこでIT業界の最先端で働く様々な方達にインタビューし、彼ら/彼女たちの熱意、想い、経験やストーリーを共有することにしました。
第5回目は、Google Japanで敏腕エンジニアディレクターを務めるXinmeiさんのストーリー。彼女がIT業界に足を踏み入れたきっかけとは?
Q1. 簡単な自己紹介とこれまでの経歴をざっくりとお願いします!
マイクロソフト社やシリコンバレーのベンチャー企業を経て2004年からGoogle勤務。2007年に来日し、YouTubeのエンジニアチームを指揮。モバイル版Googleマップの開発や、ユーザー発信コンテンツに携わる。Google在職中にカーネギーメロン大学院修士号(ソフトウェア工学)を取得。現在は、Googleマップのエンジニアディレクターをしています。
Q2. 素晴らしい経歴をお持ちですね!シンメイさんとITの最初の接点は?
中国にいた頃の中学校の授業でプログラミングを学んだことが最初の接点です。ただ、正直に申し上げるとプログラミングはあまり好きではありませんでした。それよりも、頭を使って課題を解決する方法を考える方が早いし、自分の将来に必要がない教科とも思っていました。当時は大人になったらプログラミングを仕事にするとは思わなかったですね(笑)
Q3. 人生何があるかわかりませんね(笑)中国では早くからプログラミングが授業にあるとは驚き!その後、IT業界で働くことになった経緯は?
偶然であり、必然でもあったかもしれません。アメリカの大学でコンピュータ・サイエンスを専攻し、プログラミング言語を学び始めました。大学の教授がとても教え方が上手な方で、中学・高校で好きになれなかったプログラミングがとても面白く思えました。大学卒業後、コンサルや投資銀行など様々な業界に応募し、最終的にエンジニアを選びました。応用が効く仕事なので自分自身の幅が広がり、いろんな業界で経験を活かせると思ったからです。
Q4. 今でこそダイバーシティが進みましたが、当時エンジニアになって大変なことはありましたか?
ネガティブな経験はほとんどないですね。アメリカでは常にダイバーシティが尊重される環境で働くことができました。女性エンジニアが活躍するのが当たり前で、大学のCS専攻の4割は女子学生だったと思います。ジェンダーギャップはあまり感じたことないです。私が働き始めたときのCEOも女性でしたし、特にプレッシャーはありませんでした。ある先輩はマイクロソフトでエンジニアをしていて、ロールモデルになるような女性もたくさんいました。
Q5. この業界に進んでよかったことはありますか?
自分の生活スタイルを自分で決められるのは利点です。時間に左右されない仕事なので、きちんと自分の仕事をすればフレキシブルに時間が使え、自分がやりたいことを何でもできます。また、エンジニアに性別や年齢、肌の色は一切関係ありません。どれだけエンジニアとして仕事をしたかで、全てが決まります。
Q6. 性別も年齢も関係ないのは魅力的!もう少し詳しく聞かせてください。
25歳の時に、3人チームのリーダーを務める機会があり、私以外は全員シニアの男性でした。当初はマネージャーに「リーダーを務めることは難しい」と相談もしました。すると「チームとしてどのように意思決定し、仲間とどう向き合うかが大切」と教えられました。こうしたアドバイスもあり、結果的にリーダーとしての責任を果たすことができました。とても刺激的でしたし、エンジニアには性別も年齢も関係ないのだと実感しました。
Q7. どうしたらIT業界に女性がさらに参入しやすくなると思いますか?
もしIT業界でキャリアを築きたいと考えているのであれば、同じキャリアを持つもの同士、支え合うことが大切だと思います。キャリアを構築している際に、サポートしてくれる方との長期的な信頼関係を築くことです。やがて管理職になった時、今度は自分が他の方をサポートする番。こうやって輪を広げていくのが理想的ですね。
Q8. 最後に、テック/IT業界を目指す女性に向けてメッセージをお願いします!
今の上司やあなたの周りの人たちにキャリアゴールを語ってください。そのうち、その上司や周りの人があなたのことを思い出し、それが次のキャリアに繋がるかもしれません。周りも自分も高まる人脈作りは大切です。頑張ってください!
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WITJは、このRole Model Storyを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になることを望んでいます。