小島舞子

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Women in Technology Japan | 【Role Model Interview】Maiko Kojima

Role Model Interview vol.43 Maiko

Women in Technology Japan(WITJ)は、テクノロジー分野におけるジェンダーギャップの解消と、日本社会におけるダイバーシティ&インクルージョンの推進をミッションとする団体です。私たちは、あらゆる業界で活躍する女性たちにインスピレーションを与え、つながる場を提供し、エンパワーすることを目指しています。

このRole Model Interviewでは、業界を越えて周囲に影響を与える様々なリーダーたちにを毎月ピックアップしています。本インタビューを通して皆さまがインスパイアされ、勇気を持って挑戦し続けられることを願っています。

今回登場するのは、株式会社クラフターの代表取締役、小島舞子氏。シリアルアントレプレナーとして複数の起業を経験し、AI業界の変化をリードしてきた小島さん。その原動力、そしてその裏にある想いやストーリーとは?


初めまして、小島舞子と申します。株式会社クラフターの代表取締役を務めています。初めて起業をしたのは2010年でした。早稲田大学在学中にスタートアップを創業し、副代表兼CTOとしてiPhone/Androidアプリを30以上リリースしました。その後、リクルートに入社。そこで、知名度のある企業でも、オンラインマーケティングの課題が多いことに気づき、2016年に株式会社クラフター(旧:チャットブック)を創業しマーケティングサービスの開発を始めました。2022年にマネックスグループに売却し完全子会社化し、最近は新しい挑戦として、生成AI(Generative AI)を企業に導入・活用する際に、現場で感じた課題や成功事例をまとめた実務書の出版をしました。

最初から「起業したい」という気持ちが強かったわけではなく、やりたいことを形にしていった結果、起業という選択になりました。特に国際的な仕事に興味があり、海外に関わる機会を多く持ちたいという思いがありました。

「CraftChat(チャットボットサービス)」や「Crew(社内資料活用型 AI サービス)」など、社内の情報共有やナレッジ管理をAIでサポートするサービスを提供しています。

簡単に言うと、企業内で「どこに資料があるかわからない」「誰に聞けばいいかわからない」という課題をAIが補完し、社内の質問対応や資料検索を自動化できるような仕組みを作っています。

最初の起業と2回目の起業の間に、リクルートで働いた経験があるのですが、その際に、「知名度のある企業でも、オンラインマーケティングで顧客獲得に苦戦する」という現実を目の当たりにし、「もっと手軽で効果的なチャットベースの顧客獲得の仕組みがあれば良いのではないか」と感じたのがスタートでした。初期プロダクトのCraftChatの構想につながっています。

あまり「大変だった」という感覚は残っていません。もちろん、資金・人・時間の制約など壁はありますが、基本的に悪いことは忘れるタイプです(笑)できないことに執着せず、自分ができることに集中してきました。

お客様から「生成AIが怖いものではなく、相棒のように感じられるようになった」と言われたときですね。自治体や大企業のお客様にとって生成AIはまだ新しい存在ですが、それを身近に感じてもらえるのが嬉しいです。

特にスタートアップは、お客様との距離が近く、自分たちが作ったプロダクトに対してすぐにフィードバックをもらえるので、そのスピード感が何よりの魅力ですね。

人の可能性を広げられるテクノロジーだということです。仕事のやり方そのものを変える力があると感じています。

生成AI(Generative AI)を企業に導入・活用する際に、現場で感じた課題や成功事例をまとめた実践書です。多くの企業の担当者と話す中で共通する課題が見えてきて、「これは多くの人に共有すべきだ」と思い執筆にいたりました。

職種・業界別の活用事例、最新AIツールの紹介など、実務での応用につながる内容、導入がうまくいかない場合の対処法、リスク管理、社内定着の工夫を盛り込むなど実践的なノウハウにこだわりました。

図解やワークシート、チェックリストを用いて、実際に手を動かしながら使えるようにしたところもこだわりの一つです。

AI時代の働き方を再定義し、すべての女性が自律的に人生を選択できる社会の実現を推進することを目的としています。リスキリング支援、キャリア支援、啓発活動を通じて、AI分野での学びと実践を支援しています。ありがたいことに、たくさんの企業や団体からも賛同いただきながら、今では500名以上が参加するコミュニティに成長しました。

日本のテック業界における女性の就業率は、他の分野に比べて比較的高いと言われています。
一方で、MITやスタンフォードなど理系名門大学では女子学生の割合が高いことを考えると、日本では、理系分野で高い学力を持つ女性が多いにもかかわらず、社会的な圧力や周囲の反応によって進学やキャリアをためらうケースが少なくありません。

「女性に理系は合わない」といった固定観念や、技術職に女性が少ない環境そのものが、挑戦する意欲をそいでしまう構造があります。
この流れを変えるには、女性が安心してキャリアを選択できる環境づくりと、社会全体の意識改革が欠かせないと思います。

会社としては、今後もAIを活用したサービスを社会に広げていき、さらに多くの企業でAI活用を支援したいと思っています。

悩んでしまった時こそ、一歩動いてみてほしいです。
完璧を目指すより、まずは試してみること。
その小さな行動が、きっと大きな変化につながると思います。


WITJは、このRole Model Storyを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になることを望んでいます。

WITJとのコラボレーションやイベントのスポンサーにご興味のある方は、お問い合わせフォームにご記入いただくか、info@womenintech.jp まで直接ご連絡ください。