Women in Technology Japanは、日本のテック業界におけるジェンダーギャップを解消し、ダイバーシティ&インクルージョンを推進することをミッションに掲げています。
このRole Model Interviewを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になること、そして一人でも多くの方々にIT業界で働く可能性について知っていただきたいという思いで活動しています。
今回は、楽天ペイメント株式会社でシニアマネージャーを務める、イギリス出身のルイーズ・ジョーンズさんをインタビュー。日本で働くことになったきっかけ、キャリア形成について、彼女が考える、DE&Iを推進するためのヒントとは?
Q1. 自己紹介をお願いします。
初めまして、ルイーズです。イギリス出身で、現在は日本に住んでいます。テクノロジー業界で約10年間働いており、最初はロンドン近郊のサムスン電子ヨーロッパ本社で勤務し、その後、イギリスのソフトウェアスタートアップであるVirtualstockに移り、現在では東京に本社を構える楽天ペイメント株式会社で働いています。
楽天ペイメント株式会社ではシニアマネージャーとして働いています。東京とインドを拠点とする46人のチームをサポートしています。私たちのチームは、楽天グループの顧客と加盟店に革新的な機能を提供することにフォーカスしており、フロントエンド、バックエンド、モバイル、QAエンジニアリング、プロジェクト管理、プロダクト管理、データサイエンス、UIUXの機能まで幅広く見ています。
Q2. 素晴らしいキャリアですね!日本に移住したきっかけは?
イギリスの会社で働いている間、次のキャリアステップを模索していて、製品の設計やプロジェクト運営に携わりたいと考えていました。場所にはこだわらず探していたところ、楽天ペイメントのプロジェクトマネージャーの募集を見つけて応募しました。
Q3. テック業界で働き始めた経緯を教えてください!
大学では政治学、心理学、社会学を学び、卒業後は、PRエージェンシーやシンクタンクなどで働きました。テクノロジーには興味がありましたが、自分のスキルが業界に適していないと思っていました。
そのうち就職の機会を探る中で、異文化環境でのコミュニケーションや論理的思考のスキルがテクノロジー企業にも必要とされていることに気づきました。コーディングや製造以外にも重要な役割があると知り、自分が価値を提供できるニッチな分野を見つけたと感じたことがきっかけです。
Q4. キャリアを築く上で一番大変だったことは何ですか?
大学卒業直後が一番チャレンジングな期間でした。自分の得意なことややりたいことがわからず、仕事の機会も限られていました。多くの人が経験する苦労だと思いますが、色々な業界や会社、仕事を試し、柔軟に対応することで、自分に合った道を見つけたのだと思います。
キャリアを築いていくにつれて、どのスキルを優先して磨くか、実務でそのスキルをどのように身につけるかが課題でした。時間が限られているため、日常業務に学習と自己開発を組み込む方法を見つけることが重要だと感じています。
Q5. キャリア形成の段階でスキルをコツコツと身につけていったんですね!マネージャー職になった経緯も聞かせてください。
東京に来てからの最初の数年間は、プロジェクトマネジメント業務を担当していたので、サービスや目標の理解にフォーカスしました。それから、4年かけて少しずつスキルと経験を積んで現在のシニアマネージャーの役職に就きました。今は、自分が持つスキルとは違う専門性を持つチームメンバーをまとめています。
Q6. マネジメントはそれぞれ自分のスタイルがありますが、ルイーズさんにとって、良いマネージャーになるための秘訣はなんでしょうか?
とにかく聴くこと、分からないことを理解する努力です。前提として、チームが何をしているのか、なぜそれをしているのかを理解しなければ、メンバーのサポートすることはできません。
適切な専門性を持った人材を集めるのも鍵だと思います。すべての分野で専門家になることはできないので、適切なチームメンバーを適切なプロジェクトに配置し、それぞれの専門性を持った人たちの意見に耳を傾けることを大切にしています。
Q7. とても参考になります!多様性が重要な理由と、その環境を作るためにできることは何でしょうか。
カルチャーの多様性は、たくさんの異なるアプローチや解決策を生み出します。重要なのは、安全な環境を作り、一人一人が自分らしく力を発揮できるようにすること、そして共通の価値観「Shared Value」を共有し、互いに尊重し合うことが大切です。
Q8. ジェンダーギャップを解消するために、私たちにできることはなんでしょうか。
これに対しては様々なアプローチがあると思いますが私から3つお話します。
まず、メンタリングです。自分よりも経験豊富な人からメンタリングを受け自分が持っている懸念を共有・質問し、判断力と自信を育てることで、より高いレベルで問題を迅速に解決できるようになりました。多くの女性がさまざまな理由でこのようなメンタリングを受けるのに苦労しています。企業はマネージャーにメンタリングを奨励し、彼らが多様な従業員をメンターとしてサポートすることを促進する必要があります。
次に、アライシップです。アライシップとは、同盟とも訳されますが、当事者以外がマイノリティや弱者を支援・擁護する行動のことです。職場でのダイバーシティ・インクルージョンを促進するためにとても大切なことだと思います。
例えば、日常で使う言葉に注意して全員が気持ちよく過ごせるように意識するなど、女性が女性をサポートするだけでなく、いろんな形の多様性を促進することに繋がります。
3つ目は、女性自身の挑戦を応援することです。Harvard Business Reviewに載っていた興味深い記事によると、女性は自信がないのではなく、書かれた要件やスキルに全てマッチしなければ応募してはいけないと思っている人が多いようです。
当然、応募がなければ採用はできませんから、応募を増やすために、企業は求めるスキルを強調し、入社後のサポートを充実させることが求められると思います。
Q9. 素晴らしいインサイトをありがとうございました!最後に、ルイーズさんのキャリア目標は何ですか?
周りに意味のあるポジティブな影響を与えたいと考えています。
それをキャリアに例えると、現代の日常生活に必要なサービスをより迅速・安価・安全に提供し、誰もが便利に利用できるようにすることです。
その目標を達成するためには、多様性とお互いを高め合えるチーム作りが必要不可欠だと考えており、キャリアを通じてそのような環境を創出できるリーダーになりたいと思っています。
WITJは、このRole Model Storyを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になることを望んでいます。
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