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【Role Model Interview】YUKIKO SAKAKURA / ロールモデル

エディター・ライター:佐藤万斐

WOMEN IN TECHNOLOGY JAPAN【Role Model Interview】YUKIKO SAKAKURA / ロールモデル インタビュー

Women in Technologyは、日本のテック業界におけるジェンダーギャップをなくし、ダイバーシティアンドインクルージョンを促進することをミッションに掲げています。

このRole Model Interviewを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になること、そして一人でも多くの方々にIT業界で働く可能性について知ってほしいと思っています。

そこでIT業界の最先端で働く様々な方達にインタビューし、彼ら/彼女たちの熱意、想い、経験やストーリーを共有することにしました。

今回は、大手外資クラウドベンダーで活躍中の坂倉さんにインタビュー。文系出身でIT企業に就職し、エンジニアとして勤務したのちキャリアチェンジを経て、再度外資系IT企業へ転職した、彼女のユニークなキャリアストーリーとは?

Q1. 自己紹介をお願いします!

慶應義塾大学文学部フランス文学専攻を卒業後、大手外資系ITベンダにシステムエンジニアとして就職。約9年エンジニアとして働いたのち、保守サポートのマネージメント業務にシフト。これがきっかけとなり顧客との新規ビジネス構築に興味をもち、 その会社を退職し、コンサルタントにキャリアチェンジすることを決めました。

その後、ベンチャー企業、会計系コンサルティングファームでビジネスコンサルタントとして、新規ビジネス創出や業務プロセス改善支援に取り組んだのち大手外資系クラウドベンダーに転職。

現在は自社のサービスを利用するお客様に対し、自社製品を活かした働き方改革のご支援を行っています。

Q2. 文系出身でIT業界にエンジニアとして就職!とても興味深い経歴をお持ちですが、IT業界へ踏み入れたきっかけは?

もともとは本が大好きで文学部に入ったこともあり、出版業界への就職か大学に残ることを考えていました。

自分の気持ちに変化があったのが、大学時代に所属していた日仏学生フォーラムという国際交流団体の活動中。フランスの学生と交流する機会があったのですが、ある学生から「日本は大学の所属の学部と就職先がリンクしていないと聞いた。とてもうらやましい。フランスでは文学部の学生は先生になるくらいしかないよ(苦笑)」と冗談まじりに言われたことがあり、「日本の就職活動というのは実はものすごい自分を変革するチャンスで、もしかしたら全く思いもしなかった自分に変化する機会なのかも!?」と思ったのを覚えています。

そのことがきっかけで、もしかしたら自分には全く縁がないと思っていた世界がものすごく向いている、というようなこともあるかもしれないと思い、就活の方針を以下のようにかえました。

「就職活動では業界を絞らず、いろんな業界を受けてみよう。面接を受ける中で、この人(この会社)は私をわくわくさせてくれる!というフィーリングを大事にしよう。」

もともとテック業界を目指していたわけではないのですが、結果的に大手外資系ITベンダを選んだのは、いろんな業界の会社を受ける中で、その会社の面接官が私をとてもわくわくさせてくれたこと、そして私をエンジニアとして採用してくれたことだと思います。

今まで図書館の地下5階で本ばかり読んでいた自分に、全く新しい方向性を与えてくれた、そのきっかけを大事にしたい、というような感じでした。

Q3. 元々志望していた出版業界も受けられましたか?テック業界へ就職の決め手となった面接についても教えてください!

はい。出版業界も含め様々な業界の面接を受けましたが、

当時私が受けた面接のほとんどは、聞かれた質問に対して自分の意見を述べるだけ、といった流れが一般的でした。しかし、新卒で就職した会社の面接官は、私の意見に対して共感してくれたり、自分の意見を熱意を持って語ってくださったり、質問のたびにポジティブなフィードバックを返してくれたことが印象的でした。面接というよりは対話のようで、社会人として仕事を始めることにとてもわくわくさせてもらったのを覚えています。また、その会社のビジョンに共感できたことも就職の決め手となりました。

その面接官には就職してからもお世話になったり、キャリアだけでなく人生において学ぶことがとても多かったです。

Q4. 自分の人生の大きな部分を占める仕事の時間。わくわくできることって素晴らしいですね!現在の会社での働きがいを教えてください。

自社の製品を使っているお客様から、働き方がこんなに変わった、こんなことができるようになった、とフィードバックいただくのが何より自分のモチベーションになります。

新卒の会社から現職まで一貫して大事にしているのは、テクノロジーの力をより多くの方に開放することです。私自身、就職して初めてITの世界を知り、テクノロジーを使えることで自分の世界がどんどん広がるのを感じましたし、何もわからないところから勉強したからこそ、わからない人に立場に立ってテクノロジーの価値を伝えることができるんだ、という想いで取り組んできました。

テクノロジーを使ってお客さんのできることが増えること、そのことに貢献できているんだと感じることが今の会社での働き甲斐につながっているかなと思います。

身近なところでいうと、母からの相談がわかりやすいかもしれません。母が自治会で会計を担当することになったときがあったのですが、その際に全て紙に書いて行っていたそうで、大変だと相談されました。

そこでエクセルを使って会計管理するやり方を教えたら、管理がとっても楽になったと感謝されて。やはりテクノロジーは、一気に世界を広げますし、人々の生活に役立つと改めて認識しました。

Q5. キャリア構築の上で大変だったことがあれば教えてください。

技術を全く知らない状態からITエンジニアになってしまったので、常に勉強せねばならず、社会人になって最初の3年くらいは本当に大変でした。ただ、そのおかげで自分の能力はあとからでも伸ばすことができると考えられるようになったと思います。

Q6. 今まで出会った中でキャリアや人生を変えた方はいらっしゃいましたか?

同期、先輩、上司、仕事のパートナーなどたくさんの素敵な方との出会いに恵まれましたが、特に心に残っているのが、新卒で入社した会社で出会った先輩です。

当時60代で最前線でエンジニアとして活躍する大変尊敬する先輩がいました。その方がキャリア構築についてセミナーを開いてくださったので参加したのですが、当時30代になったばかりの私は、「先輩のように幾つになっても活躍できるようになるにはどんなスキルを身につけたらいいのでしょうか?」という質問をしてみたんです。

その先輩はとても物理と数学が得意な先輩だったのですが、「物理や数学のようないつの時代も変わらない原理や原則のようなもの、一生使えそうな、汎用性が高いスキルをまとまった時間をつかって集中して身につけるといい。50代になると急に体力が落ちるけど、まだ体力がある30代から40代のときはそういった勉強をする絶好のチャンス。これはというものをみつけてとにかく勉強をするのがいい。私は50代になるまでに勉強したことの貯金で今食べてるんだ。」とお話されていたのが印象的でした。

そこで、社会人8年目くらいのタイミングで社会人大学院に行き、システムエンジニアリング学の修士号を取得することに決めました。ものごとをシステムとして理解して新しいインサイトを得るための様々なフレームワークを勉強する学科で、普遍性が高そうだと思ったのでこの学科を選びました。

フルタイム勤務は変わらず、上司や会社の理解もあり勉強に打ち込めました。大学院に飛び込む勇気も、文系からエンジニアへの転身という経験があったからこそできたのかなと思っています。

大学院で学んだこと、今でも交流のあるかけがえのない仲間ができたことによって、学びたい欲が深まり、現在も東京工業大学にて情報理工学院情工学科知能情報コースにて博士号取得のために研究をしています。

Q7. いつまでも学び続ける姿勢、素敵です!STEM業界ではまだまだ女性で活躍されている方が少ないと思いますが、現状と課題とこれから改善が必要なことを教えてください。

女性に限らずかもしれませんが、これから仕事を決める学生に対しては、自分自身の可能性を自分でとじないようにしてほしいなと思います。キャリアとは、つながっている道のようなものではなく、はしごをかけて登っていくようなものだと思っています。

いろんな人と会っていろんな可能性を感じて、少しでも「ああいいな」と思うようなものに出会えたら、その出会いを大切に。「ああいいな」というものへの距離が遠そうに見えたら、どうすればそこまで行けるかな、を考えて、ジグザグでもいいのではしごをかけながら登っていく、そうすると自分が予想もしていなかったような自分になっている、なんてことがあると思うんです。

今はインターネットを通じていろんなセミナーやイベントがオンラインでも開催されていますし、たくさんのニュース記事もあります。自分が興味ある分野には飛び込んでみる。もし興味があることがわからなければ、本屋さんに行くのもおすすめです。琴線に触れるキーワードに出会えるかもしれません。もし出会えたら、そのキーワードをリサーチしてみるのもいいかもしれません。大切なのは、感度よく生きることだと思います。

Q7. 坂倉さんの目標やキャリアゴールを教えてください。

大きく二つあります。

一つは、これからもより多くの人たちに対して「テクノロジーの開放」に貢献していくこと。

二つ目は、これは私のキャリアの裏ゴールであり尊敬する元上司の受け売りなのですが、仕事を引退したときに、元同僚でも元上司でも元パートナー企業でも元お客様でもいいので「あの時は大変だったけど楽しかったよね」といえるような仲間をこれからのキャリアの中で一人でも多く作ることです。

会社が変わっても、やりたいことが変わっても、仕事を超えたところで繋がれるような方に出会うこと。引退しても、お酒を飲みながら、想いを共有しあったり笑い合ったり。そんな仲間ってプライスレスですよね。

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WITJは、このRole Model Storyを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になることを望んでいます。

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