Lalatiana Todic

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Women in Technology Japan | 【Role Model Interview】 ララティアナ・トディック

Role Model Interview: ララティアナ・トディック/Lalatiana Todic

Women in Technology Japanは、日本のテック業界におけるジェンダーギャップを解消し、ダイバーシティ&インクルージョンを推進することをミッションに掲げています。

このRole Model Interviewを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になること、そして一人でも多くの方々にてテック業界で働く可能性について知っていただきたいという思いで活動しています。

今回のインタビューでは、日系企業でサイバーセキュリティープロジェクトのVPとして勤務しているララティアナ(以下:ララ)さんにインタビュー。母国のフランスでITキャリアをスタートし、日本へ移住を叶えたララさん。言語の壁を乗り越え、リーダーとして、3児の母として奮闘する彼女のストーリーとは?


はじめまして、フランス出身のララと申します。大学卒業後、システムおよびネットワーク管理の業務に携わり、キャリアをスタートしました。早い段階からマネジメント職を志し、インフラプロジェクトマネージャーとしての経験を積んだ後、オペレーションマネージャーとして12名のチームを率いていました。

その後、夫と共に日本へ移住し、約1年半にわたり日本語を集中的に学習しました。日本での就職活動を経て、ソニー・モバイルコミュニケーションズにシステムエンジニアとして入社し、日本でのキャリアをスタートさせました。

その後は、PwCにてサイバーセキュリティ業務に携わり、AIGではセキュリティサービスデリバリーマネージャーとして勤務しました。そして2024年より、日系企業にてセキュリティプロジェクトマネジメントを担当するヴァイス・プレジデントとして働いています。

趣味のスノーボードがきっかけです。千葉の人工雪の施設についてのドキュメンタリーを観て、その技術に驚いて日本文化や日本語に興味を持ちました。

最初は日本語がまだ流暢ではなかったので、言語の壁に苦労しました。英語も交えながら、少しずつ専門用語や仕事に必要な言い回しを覚えました。

また、日本の企業文化や商慣習を覚えるのも大変でした。例えば、根回し文化。フランスではコミュニケーションはもう少し直接的なので最初は戸惑いましたが、そういった違いを知ることも一周回って面白かったです(笑)

スキル面でいうと、サイバーセキュリティやITプロジェクトマネジメントの分野では、日本企業もグローバルな人材を受け入れるようになっており、そのおかげでチャンスを得ることができました。

幼い頃は、医師である母の影響もあり、自然と自分も医者になるものだと思っていました。
しかし、ある日いとこが家に遊びに来て、ドライブディスクを持ってきたのですが、その中身を一緒に分解して見たときに、コンピューターの仕組みやテクノロジーの世界に強く惹かれたのを今でも覚えています。

そこから興味が広がり、独学でプログラミングを学び始め、高校時代には簡単なプログラムを自分で作るまでになりました。情報がどのようにネットワークを通じて流れているのか、システムがどう連携して動いているのかに大きな興味を持つようになりました。

また、当時からテクノロジー業界は男性が多い分野であるという印象がありましたが、「女性でもこの業界で活躍できる」ということを証明したいという気持ちもありました。今でも私のキャリアを支える大きな原動力になっています。

私にとってマネージャーとは、組織の頂点に立つ存在ではなく、チームメンバー一人ひとりが最大限の力を発揮できるように支える存在だと思っています。フラットなマネジメントスタイルを大切にしており、上下関係ではなく、対等な立場で意見を交わしながら、協力し合うことを重視しています。

リーダーシップとは、指示を出すことよりも、信頼関係を築き、チーム全体が同じ方向を向いて前進できるよう導くことだと考えています。コントロールではなく、共創とサポートこそが、真のリーダーシップではないでしょうか。

3人の子どもを育てる母親としての経験を通じて、リーダーシップについて多くのことを学びました。それは仕事においても、プライベートにおいても共通する学びです。

その中で最も大切だと感じているのは「コミュニケーション」です。明確でオープン、そして継続的な対話を大切にすることが、信頼関係の構築には欠かせません。

また、もうひとつ大切なのは「共感力」だと思います。相手の立場に立ち、その気持ちや状況を理解し、先入観なく耳を傾ける姿勢が、良いリーダーには求められると感じています。

リーダーとは、単に業務を指示・管理する存在ではなく、人を支え、導き、成長を後押しする存在であるべきだと考えています。

今子供が、9歳、6歳、3歳ですが、バランスを取るのは正直とても大変です(笑)

私の家族はフランスにいるため、夫のサポートと在宅勤務のおかげで、より柔軟に家庭と仕事を両立させることができています。コミュニケーション、タスクの分担、そしてパートナーや職場、お互いの尊重があれば、両立は可能だと確信しています。

AIGで働いていた時、元同僚が私を「Global Women in Technology Japan」という社内コミュニティに紹介してくれたことがきっかけで、Women in Tech活動に積極的に参加するようになりました。

そのコミュニティを通じて、Women in Technology Japanのアニーや素敵なリーダーたちとつながることができ、パネルディスカッションやハッカソン、女性エンジニア向けのメンタープログラムなど、さまざまな取組みをしてきました。

これらの経験を通じて、より包括的で多様性のある環境を構築することが、イノベーションや未来のリーダーの育成に欠かせないものであると確信しました。

鍵となるのは「行動」と「対話」だと思います。私たち一人ひとりが、女性リーダーの存在意義やその重要性を、企業の枠を超えて業界全体に向けて発信し続けることが大切です。そのためにも、イベントやディスカッション、啓発活動を継続的に行っていく必要があります。

目指すのは、単なる数値目標の達成ではなく、女性が自然にリーダーとして成長できる「土壌」を育てること。誰もが自分らしく活躍できる社会の実現に向けて、これからも前向きに取り組んでいきたいと考えています。

プロフェッショナルとしての長期的な目標は、グローバルでCISO(最高情報セキュリティ責任者)として表彰されるような実績を築くこと。サイバーセキュリティとプロジェクトマネジメントの分野に強い情熱を持っており、引き続きこの領域で成長を目指しています。

一方で、個人としての最大の目標は、3人の子どもたちを、幸せで充実した人生へ導くことです。キャリアと家庭の両立は決して簡単ではありませんが、その分得られる喜びも大きいと感じています。

子どもたちが、自分に自信を持って他者を思いやることのできる人に成長できるよう、日々サポートしていきたいと思っています!


WITJは、このRole Model Storyを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になることを望んでいます。

WITJとのコラボレーションやイベントのスポンサーにご興味のある方は、お問い合わせフォームにご記入いただくか、info@womenintech.jp まで直接ご連絡ください。