Writer: Maaya Sato (佐藤万斐)
2024年12月4日、日本マイクロソフトとWomen in Technology Japan(以下:WITJ)主催のコラボイベント『Empower Together with Microsoft ~ダイバーシティーな環境で働くリーダーたちのストーリー~』を、日本マイクロソフトの品川オフィスにて開催しました。
参加者は総勢55名以上に及び、WITJのコミュニティーメンバーをはじめ、業界を越えてたくさんの方とお会いできる素晴らしい機会となりました。
今回のイベントでは、「Empower Together」をテーマに、日本マイクロソフトやWITJのメンターなど4名のリーダーによる、キャリアや働き方をテーマとしたパネルディスカッションや、代官山のBonta Italia様によるケータリングと共に参加者同士の交流会が行われました。
イベントプログラムに沿ってレポートさせていただきます。
- オープニング
- パネルディスカッション
- Q&A
- クロージング
- 懇親会
オープニング
イベントは、WITJの代表であるAnnie Changの挨拶でスタートしました。
2013年の創業から過去11年の活動を振り返り、WITJのミッションの紹介、そしてその想いについて語ってくれました。
WITJのミッション
- 女性のリーダーシップを推進
- テック業界のジェンダーギャップを解消
- 日本のダイバーシティ&インクルージョンを推進
さらに、2013年のWITJ設立時と2023年の10年間で、日本社会での女性活躍がどのように変化したか、具体的なデータに沿って説明する場面もありました。
そのデータによると、女性管理職比率は、2013年の11.2%から2023年の14.6%と3.4%の上昇。上場企業の女性役員比率は、2013年の1.8%から2023年には10.6%と8.8%上昇するなど、少しずつではありますが、着実に進歩しているといった話が印象的でした。
続いて、この日のために撮影してくださったという、日本マイクロソフトの代表取締役 社長 津坂美樹さんのビデオメッセージが投影されました。
“困難を恐れず、新しいことに積極的にチャレンジしていってほしい”
35年間勤めたBCGから転職し、日本マイクロソフトの社長に就任した経験を踏まえ、力強いメッセージを送ってくれた美樹さん。
特に、「ITのスキルや知識がそこまでない中でテクノロジー業界に飛び込むという決断は、勇気が必要なものでした。もし10年前に社長のポジションを提案されていたら、自信を持って受けられたかわからない」と自身の経験に触れる場面も。
「さまざまな経験を積み重ねた今だからこそ、挑戦を受け入れる準備ができていたと感じています。大変だけれど、日々が楽しい」
挑戦することの重要性が、真摯な言葉から伝わってきました。
パネルディスカッション
そして本日のメインセッション、パネルディスカッションでは、日本マイクロソフトから3名、WITJから1名の計4名の業界のリーダー達が自身の経験や考えを共有し、キャリア形成、ワーキングマザーや管理職としての働き方など、多岐にわたるテーマが議論されました。
<パネリスト紹介>
Yoshiko Hisatomi氏(日本マイクロソフト)
Data&AI Specialist Manager, Cloud&AI Solution Business Division
富士通SEを経て2012年に日本マイクロソフトに入社。Azure Business Group でのProduct Marketingを経て、新規顧客開拓営業に従事し、2023年1月から現職。娘が1人いる。
Hiromi Oka氏(日本マイクロソフト)
Director, Enterprise SI Lead. Partner Development Management, Global Partner Solutions
日米で電機機器メーカー勤務を経て2007年に日本マイクロソフトに入社。在籍中に3人の子どもに恵まれる。ライセンスや公共機関営業、Microsoft 365事業に従事し、2022年9月から現職。
Jason Comer氏(日本マイクロソフト)
Talent Acquisition Director
人材紹介のコンサルタント、AppleやTwitterの採用マネージャーを経て2022年6月に日本マイクロソフト中途採用ディレクターとして入社。料理好きでダックスフンド2匹と暮らす。
Rutsuko Yoshida氏(Women in Technology Japan)
Mentor, CEO at Bright Work Hub
富士通 光伝送開発エンジニアを経て、外資IT企業2社にてSE,PM, 営業職を経験。流産やワーキングマザーとしての苦悩と、2度のキャリアブランクの経験を持つ。2023年「日本の働き方を変える!」を志しBright Work Hub株式会社を設立。企業様へシステムコーチング・ワークショプ・伴走コンサルを提供中。]
パネルディスカッションでファシリテーターを務めるのは、WITJのPR&Marketingマネージャー、Maaya Sato(佐藤万斐)。パネリストの自己紹介後、ゲストから寄せられた働き方やキャリア形成についての質問でディスカッションをスタートしました。
Q1. 日系企業と外資系企業の働き方の違い
事前にゲストから寄せられた、働く環境とワークスタイルについての質問。日系企業と外資系企業で働いた経験があるパネリストの皆さまに率直な意見をお伺いしました。
Yoshikoさん:「マイクロソフトは、やりたいことに手を挙げれば挑戦できる環境です。一方で、やりたいと声を上げたら、その挑戦には責任を持ってやり抜く覚悟が必要」と強調しました。また、評価制度については「透明性が高い」ことを挙げていました。
Hiromiさん:「サバサバした女性が多く、過度な人間関係の束縛が少ないので、ランチや移動は絶対一緒などのプレッシャーがないです。」とリアルな回答に会場が笑いに包まれました。個人プレーが重視されるイメージがある外資系企業ですが、実際には「チームとしての成果が評価の一部になる」と述べ、チームワークの重要性を指摘しました。
ファシリテーターから「マイクロソフトで活躍する人」についての質問が投げかけられると、Jasonさんが、「こういう人!(笑)」とYoshikoさんとHiromiさんを指して回答する場面も。「活躍するのは、自身の成果だけでなく、周囲からの評価も得られる人」だと強調しました。
また、マイクロソフトのGrowth Mindsetという考え方に触れ、「同じ目標を持ち続けないこと。水位が上がるとしたら、船も上がらなければいけない」と成果主義を求められる外資系企業ならではのキャリアに対しての視点を披露し、会場では熱心に頷きながらメモを取る参加者の姿が印象的でした。
Q2. 職種を越えたキャリアチェンジの理由
こちらもゲストからいただいた質問の一つ。キャリアチェンジという経験を通して得たものや、キャリア形成についての考え方について聞いてみました。
Yoshikoさん:これまでシステムエンジニア、製品マーケティング、セールスと幅広い分野に挑戦してきた経験を共有。「自分自身が成長することがモチベーションの一つなので、同じ環境で仕事をしているとどうしても数年経つと慣れてしまい、新しい挑戦を求めるようになる」と振り返りました。
ただし、「キャリアチェンジは簡単ではなく、大変なことも多い」としながらも、「自分の選んだ道を正解に変えたいと思って努力を続けている」と語ってくれたのが印象的でした。
Rutuskoさん:一方、日本の働き方を変えたい!と前職のIT系企業でボトムアップ組織の構築に携わった過去から、システムコーチングの会社を立ち上げたRutsukoさんは、『人間にとって、その人生は作品である。』と、司馬遼太郎さんの言葉を引用し、「キャリアは仕事だけでなく、人生におけるあらゆる経験の積み重ね」との考えを共有しました。
仕事のブランクや家族との時間も、人生というアート作品の一部であると考え、「その経験がキャリアに彩りを加える」と話しました。
Q3. マイクロソフトに復職した理由
他社に転職後、マイクロソフトに復職したというユニークな経歴を持つHiromiさんに、彼女が他社に転職した理由、そしてマイクロソフトに復職した理由について聞いてみました。
Hiromiさん:アイスランド企業の日本支社の立ち上げという機会があり、一度マイクロソフトを離れて新事業に挑戦した過去を振り返り、やればやるほど成果が出る事業に全てを注ぐあまり、バーンアウトしてしまったというHiromiさん。そんなタイミングで、元同僚が声をかけてくれてマイクロソフトに復職を決意。周りの人が「おかえり!」と迎えてくれる、と生き生きとした笑顔で語っていたのが印象的でした。
Jasonさんに、「ここだけの話、マイクロソフトに戻ってくる方は多いんですか?」と聞いてみると、「ちょうど今、ここにスタッフとして参加している一人も先週戻ってきたばかり」とのことで会場からは驚きの声がもれました。一度離れても戻ってきたくなる、マイクロソフトの温かいカルチャーが伝わってくるエピソードでした。
Q4. ワーキングマザー兼管理職としての働き方
続いて、WITJのコミュニティーメンバーの関心も高い、ワーキングマザー兼管理職としての働き方についての質問。それぞれのメンバーが、自身の育児経験からのリアルな視点を共有してくれました。
Yoshikoさん:「メンタルとフィジカルの健康が、仕事のパフォーマンスや家族との関係性に影響を与える」と、健康であることの重要性を強調しました。
Hiromiさん:3人の子どもの母親として「子どもたちに『社会のために頑張る』と伝えることで、応援してもらえる」と語り、家族のサポートがキャリアの一部であることを伝えました。
Rutsukoさん:育児中に知り合いの方に言われて助けられたという「女性が結婚や育児のためにキャリアを諦める必要はない」という言葉を紹介してくれました。「家族を最優先にしながらも、マネジメントや経営者として挑戦することは可能」と、参加者の皆さまに力強いメッセージを送りました。
Jasonさんも、「世間では、徐々に出社を増やす動きがあるが、マイクロソフトでは在宅勤務比率が高いなどフレキシブルな働き方が実現しており、特にワーキングペアレンツにとって働きやすい環境が整っている」とおっしゃっていました。
Q&A セッション
続くQ&Aセッションでは、ゲストからいただいた「失敗をどう乗り越えるか」という質問に対して、それぞれが信念を語ってくれました。
特に印象に残ったのはRutsukoさんの「失敗も成功も、どちらも大切」という言葉。彼女の経験から、「失敗をそのままにせず、学びに変え、次の成功体験へとつなげる」ことが重要だと語ってくれました。また、彼女は「自分がどうありたいか」を軸に決断し、それを行動に移すことが大切だと強調しました。
クロージング
イベントの最後に、Talent Acquisition DirectorのJason Comer氏から、改めてイベントに参加してくださったゲストの皆さまに感謝の気持ちを伝えると共に、マイクロソフトの採用チームのご紹介をいただきました。
懇親会
イベントの後半は、待ちに待った参加者同士での交流会。なかなか対面で会うことが少ないWITJのコミュニティーの皆さまと直接お話する機会があり、代官山のBonta Italiaさまの華やかなケータリングと、イタリアワインでとても盛り上がりました。
そしてなんと!イベントのお土産として、『Microsoft Copilot for Microsoft 365活用大全』をお土産として一人一冊ご提供いただきました。移り変わりが早いテック業界にとっての強い味方。学びが深まりそうです。
たくさんの働き方やキャリア形成の多様性に富む経験談が共有された本イベント。
それぞれが異なる価値観や背景を持ちながらも、「挑戦」と「成長」を共通テーマに語られた内容は、多くの参加者にとって新たな視点やインスピレーションをもらうきっかけになったのではないでしょうか。
日本マイクロソフト、Women in Technology Japanは、今後もIT業界における多様なキャリア、働き方を推進し、社会をエンパワーできる存在を目指します。
改めまして、この度のご参加に感謝申し上げるとともに、またお目にかかれる日を楽しみにしております。
🌟日本マイクロソフトでのキャリア情報
https://www.microsoft.com/ja-jp/mscorp/mid-career
🌟Women in Technology Japanについて
日本のテック業界におけるジェンダーギャップをなくし、ダイバーシティアンドインクルージョンを促進することをミッションに掲げるコミュニティー。
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