立石ジョー Spotify

Posted on

by

in

,

Women in Technology Japan |【Role Model Interview】立石ジョー

【Role Model Interview】vol.27 立石ジョー

Women in Technology Japanは、日本のテック業界におけるジェンダーギャップをなくし、ダイバーシティアンドインクルージョンを促進することをミッションに掲げています。

このRole Model Interviewを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になること、そして一人でも多くの方々にIT業界で働く可能性について知っていただきたいという思いで活動しています。

今回は、Spotify Japanの広告事業部の責任者を務める、立石ジョーさんにインタビュー。2児の母でもある彼女の働き方、多様性を大切にするSpotifyの魅力とは?

Q1. 自己紹介をお願いします。

Spotifyで広告事業部の統括をしている、立石ジョーと申します。前職はXで、パフォーマンス広告に関するアジア太平洋地域全体の営業統括をしていました。それ以前は、NIKEで日本のeコマースチームの立ち上げや、ウィメンズの営業部長を担当していました。

プライベートでは、フランス人の旦那、小学校6年生の娘、小学校3年生の息子と暮らしています。

Q2. 小さい頃はどんなことが好きでしたか?

読書が大好きでした。夜寝る時間になっても布団に潜り込んで懐中電灯の光で読んで、親に叱られたことも(笑)しょっちゅうありました。音楽も好きで、MDなどでお気に入りの曲を集めた、今で言うプレイリストのようなものを作って友達と交換していました。

Q3. 初めての就職先はどちらでしたか?

バイリンガルな環境で育ち、大学在学時にフリーランスで同時通訳のアルバイトをしていた経験から英語を使った仕事をしたいと思い、バイリンガルの事務職を受けました。

その時に面接を担当してくれたイギリス人の女性から、『あなたにこの仕事ができるのは間違いないけど、もっとポテンシャルがあるから他の仕事も幅広く見てみた方がいいわよ』と言われ、本当に自分がしたいことを考えてみるきっかけになりました。

そこで自分自身が通訳をするだけでなくて、会社を立ち上げて、通訳以外にも、市場調査のプロジェクトマネージャーや、海外の会社が日本進出をするサポートをする事業を始めました。

大変なこともありましたが、失敗から学ぶことも多かったです。今でも失敗してないということは、十分チャレンジしてなかったことだと思うようにしています。

Q4. 起業後はどのような進路に進みましたか?

起業からいきなりスタートしたこともあり、会計やマーケティングを正式に勉強したことがなかったのでMBAに挑戦しました。憧れていたパリに住んでみたいということもあってフランスのビジネススクールHECを選びました。

ビジネススクールに集まる学生は、国籍もバックグラウンドも豊かで、意欲も野心もある優秀な人たちばかりでとても刺激的でした。講義からの学びももちろんですが、講義を聞いた後の一人一人の視点やディスカッションからの発見も大きかったです。

「ダイバーシティーは強み」をまさに体感できる場でした。Spotifyでも、ディスカッションではあえて違う観点はないのか、ということを意識して引き出そうとしています。

MBA修了後はたくさんの選択肢があって悩みましたが、日本に帰国してコンサルティングファームに入り、さまざまなグローバルのCPGや小売クライアントの経営陣と働く機会をいただきました。20代でグローバルトップ企業の課題について向き合うことができたのは貴重な機会でした。特に、コンサルでは短期間で現状を理解し、課題のどこを変えれば上手く行くのか、解決するのかなど実践的なスキルが身につけられました。

2013年にNikeのEコマース事業のローンチのタイミングでナイキジャパンに参画することになりました。これもまた、「正解がない」、ものすごくペースが速い環境でして、前例がない中で新しいビジネスを構築していくチャンスに恵まれました。

Q5. Spotifyに入ったきっかけは?

2016年秋に国内でサービスを開始する以前からユーザーとして愛用していて、Spotifyがないと1日が始まらないくらい(笑)そんな中、日本の広告事業の強化を行うことを知ってご縁があって入社しました。

広告事業では、無料プランで配信されているSpotify広告の収益からアーティストとコンテンツクリエイターに還元することがミッションですが、Spotify自体はおかげさまで国内でも広く普及してきたものの、まだまだ広告媒体としての認知度は低いので、広告主や代理店の皆さんとの関係づくりを通して認知度を高めていきたいですね。

Q6. 様々なキャリアを経験していますが、キャリア構築の上で意識したことがあれば教えてください。

何度も転職を経験して、異業種も含めて新しいチャレンジをしてきた中で、一番の大切だと思うことは、短期間でなるべく早く学び、重要なステークホルダーとの関係性を築くことです。

謙虚に周りとの関係性を作るために積極的に質問をし、失敗を恐れずチャレンジすること。

全て学び終えるのを待っているだけではバリューを発揮できないので、ある程度リスクマネジメントをしつつ挑戦する姿勢が大切だと思っています。

Q7. 女性が管理職になると、男性以上に頑張らないと認めてもらえないという意識や声もありますが、ご自身の経験からはどう感じられましたか?

2012年、コンサルタント時代に長女を出産しましたが、在籍当時は女性マネージャーが社内で世界中に数名しかいないような時期。正直ハードで、男性と同じぐらい長時間働かないといけないと感じたことはありました。当時は時代的にも働くママパパへのサポートが不足していました。

一方、Spotifyは男女を問わずチャンスがある会社なので、女性マネージャーも非常に多く活躍している会社です。

女性管理職の割合など数値目標だけにフォーカスするのではなく、Spotifyでは真にダイバースなチームを作ることにフォーカスしていて、色んな視点やバックグラウンドを持った人をチームに入れる傾向があることも一つの理由だと思います。

また、Spotifyのミッションに ”Unlock the potential of human creativity”とあるのですが、一人一人が良さを発揮して自分らしく働ける会社を作るような取り組みもしています。

Q8. 素敵なミッションですね!具体的な取組みも教えてください。

”Inclusion mindset(インクルージョンマインドセット)”と呼ばれるプログラムもあり、ビルボードジャパンさんと共にエンタメ業界に従事する女性に向けたロールモデルのセミナーを開催したり、また、Hot 100にランキング入りしている女性アーティストの曲を紹介するプレイリスト「Top Japan Hits by Women」を展開するなど、社外のパートナーとも様々な取り組みをしています。

Q9.まだ日本ではジェンダーギャップ指数が低いという課題がありますが、その課題を解決するために私たちにどんなことができると思いますか?

個人的にはロールモデルやメンターの存在がとても助かっています。男女問わず、こんなリーダーになりたいという方々に定期的にコーチングしてもらい、客観的にアドバイスをもらっています。

企業単位でできることとしては、すべてのサポートシステムが完璧でなくても、チャレンジすることがとても大切だと思います。

例えばSpotifyでは、家族を大切にするスウェーデンのカルチャーもあって、男女問わず育児休業を6ヶ月間取得できます。男性の育休取得も多く、復職後は育児をしながら働く周りの女性に対しての理解が深まりサポーティブになっていると感じます。

私自身は、Spotifyでは育休を取得していないのですが、別会社で経験したことによって、優先順位の付け方や、ライフスタイルのバランスが取れるようになりました。

個人的には、仕事、育児と何でもかんでも一人で抱え込んでしまうとバーンアウトしてしまうので、アドバイスとしては家族やチームの人を信頼して、最重要なこと以外は人に任せる、全部完璧にやらなくてもいい。まとまった育児休暇を取ることでそういったことに気づくことができました。同時に会社に対しての感謝が生まれたり、モチベーションも高まりました。

Q10. これからの目標やキャリアゴールを教えてください。

Spotifyを楽しむ人がどんどん増えていくこと、聴く人の役に立つ情報を広告として流すこと、広告主の満足度を挙げることです。そして、自己表現をしながら成長し続けるチームや会社づくりを意識して、日々精進し続けられるように努力したいです。


WITJは、このRole Model Storyを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になることを望んでいます。

WITJとのコラボレーションやイベントのスポンサーにご興味のある方は、お問い合わせフォームにご記入いただくか、info@womenintech.jp まで直接ご連絡ください。