“You cannot be what you don’t see”
“知らないものにはなれない”
昨今、女性活躍推進のために様々な取組みを始めた企業が多いですが、未だに大学でコンピューターやエンジニアリングを専攻する女性は15%に満たず、ソフトウェアクリエイターの女性割合は14%だそう。その背景には、その仕事を身近にやっている人がいない、イメージしにくいと言う現状もあると信じています。
そんな背景もあって私たちは、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になること、そして一人でも多くの方々にIT業界で働く可能性について知ってほしいと思っています。そこでIT業界の最先端で働く様々な方達にインタビューし、彼ら/彼女たちの熱意、想い、経験やストーリーを共有することにしました。
第3回目は、プログラマーから金融業界に転職し、現在フィンテック企業の日本支社社長を務めるクリスティーナさんのストーリー。
Q1. IT業界に踏み込んだきっかけや経緯を教えてください!
昔からとにかく人がやったことがないような新しいことや挑戦することが好きだったので、大学では電気工学を学び修士号を取得しました。正直言って、選んだはよかったものの自分がやりたいことではなかったですが、ロジカルシンキングや、分析力はついたのでとてもよかったと思っています。その後、就職した最初の企業でプログラミングを習い、ソフトウェアエンジニアとして勤務後ITマネージャーになりました。
Q2. 大学~最初の企業までエンジニアとしてご活躍されたあと、金融業界への転職を決めたそうですが、きっかけを教えてください。
A. 仕事を一通り覚えた30歳になった頃、日系企業でも働いたのですが、スピードが遅くて給料も平行線のままで、将来ついて悩んでいた時期がありました。そんな時、WITJのアニーに出会い、彼女の会社を通じて金融業界のIT関連職を紹介してもらい転職に至りました。
Q3. IT業界から金融業界!全く違う世界に飛び込むのは勇気がいることだと思いますが、大変だったことはありますか?
転職したばかりの時はIT業務が中心でしたが、当時の社長に、e-commerce分野での技術的な話をするから打ち合わせに同行してくれないかと声をかけられ、興味もあったので行きました。そこで評価されたこともあり、正式に事業サイドに関わるようになりました。最初は、新しく仕事を覚えたり、グローバルでのやりとりも多かったこともあり、勤務時間が長く、エンジニアでいた方が楽だったかな~と思ったこともありましたが(笑)最終的にはここまで来られたのでよかったと思っております。
Q4. ビジネスサイドに移ってから、どんなところが自分に合っていたと感じますか?
実際の経済と密接して働けていることにとてもやりがいを感じています。基本的に外資系で働くことが多かったですが、日系企業と違って社内での職種のローテーションがないので、常に新しい人と、新しいビジネスのことや、新しいことを学べる環境はとても刺激的ですし、ポジティブな気分になれますよね。そういった経験が、私のキャリアアップのモチベーションにも繋がったと思います。
Q5. 現在フィンテックの日本支社の社長としてご活躍されていますが、その経緯も教えてください。
50歳を過ぎた頃退職についても考えていましたが、イギリスベースのフィンテック企業が日本で一から支社を立ち上げると聞いて、いてもたってもいられなくなって応募し、ご縁があって社長となりました。技術側と事業側、両方をバランスよく見ることが求められるので今までの経験が役に立っていると実感します。
Q6. エンジニアからビジネスサイドへの転職よりも、その逆は難しいと聞くが、実際のところはどうでしたか?
エンジニアは専門知識など学ぶことが多いので、その逆は難しいと思われる方もいるかもしれません。ただ、今は全てがテクノロジーベースなので事業側の人間でもテクノロジーに対する理解が不可欠だと考えています。これからは、テクノロジーもビジネス、どちらも学ぶ人が増えてくる時代になってくるのではないでしょうか。
Q7. まだまだエンジニア職の女性比率が低い現状ではありますが、それを増やすにはどんなことが必要だと思いますか?
一人でも多くの方が高校や大学、もしくはもっと早い段階で、IT関連職について親しみを持てるような教育ができたら理想だと思います。これからはフィンテック業界がアツいのでオススメです。フレックス制度もありますし、子供や家族との時間も取りやすいなど、ワークライフバランスがしっかりしているので非常に働きやすいです。
女性に限らず、男性もそういった理由でフィンテック業界に転職する方も増えています。カレンダーに「保育園のお迎え」などが入っているとほっこりしますね。自分自身でライフスタイルを決められる働き方ができるのは最高です!
Q8. 最後に、読者にメッセージを!
専門知識を身につけて、誰かがいつか何かを初めた時にあなたのことを思い出してくれるように人脈作りをしっかりすること。さらに、これからはテクノロジーの時代です。現に日常生活でも、日々変わりゆくテクノロジーに触れない機会はありませんよね。仮にIT系の仕事を希望していなかったとしても、テクノロジー関連の知識は全く無駄になりません。ぜひ、ITを学ぶ機会を自ら作って、可能性を広げてください!
エディター・ライター:佐藤万斐