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Women in Technology Japan |【Role Model Interview】vol.30 竹内詩織
Women in Technology Japanは、日本のテック業界におけるジェンダーギャップを解消し、ダイバーシティ&インクルージョンを推進することをミッションに掲げています。 このRole Model Interviewを通して皆様がインスパイアされ、勇気を持って自分が本当に輝き、理想とする職種や業界に転職したり、就職したりできるような世の中になること、そして一人でも多くの方々にIT業界で働く可能性について知っていただきたいという思いで活動しています。 今回は、外資系IT企業にて広告ソリューション技術本部の統括部長を務める、竹内詩織さんにインタビュー。数々のプロジェクトに携わり、着実にキャリアを構築してきた彼女が考える、DE&Iを推進するためのヒント、キャリアプランニングに大切なこととは? Q1. 自己紹介と経歴をお願いします! 竹内詩織と申します。新卒で大手広告代理店に入社し、ストラテジックプランナーとしてキャリアをスタートしました。そこから事業会社の仕事を経験してみたくなり、外資系ラグジュアリー企業でグループ全体のデジタルプロジェクトの推進やブランドのAdvertising Managerとして広告活動全般を統括しました。その後、東京オリンピックのスポンサーであるグローバルクライアントの営業チームの仕事の機会を頂き、一生に一度のプロジェクトだと思い、新卒で入社した広告代理店に戻りました。時はコロナ禍となり、オリンピックの延期、妊娠、育休と目まぐるしいタイミング。マネージャー職に戻りたいと思っていた頃、ご縁があって現在勤める外資系IT企業にて広告ソリューション技術本部でアナリストチームを統括しています。 プライベートでは、夫と3歳の息子、0歳の娘と季節の行事や旅行を楽しみながら暮らしています。 Q2. 新卒で大手広告代理店に入社を決めたきっかけは? アメリカで大学時代を過ごし、ジャーナリズム・コミュニケーションスクールを擁する大学で学んでいたのですが、専門性が高い学校ということもあって、日本では珍しく、実務家の教授も多数在籍していました。そこで受けた広告代理店出身の先生の授業が予想以上に面白くて、こういう仕事に就きたいと心に響きました。 その中でも、日本にも世界TOP5に入る広告代理店があると知り、興味を持ち選考を受けました。 Q3. 素敵な出会いですね!大手広告代理店在籍時に、地域に根差した朝活のコミュニティー作りもされていたそうですが、きっかけは? 大手広告代理店在籍時は、充実していましたが家と会社を往復する毎日でした。そんな中、当時スターバックスのサードプレイスという概念が流行っていたこともあり、私も自分のサードプレイスが欲しいと思い、先輩や有志のメンバーと一緒にコミュニティーづくりをはじめました。 当時は今と違い、リモートワークが普及していなかったので、社会人が時間を取れるのが朝。その時間を有効活用しようというコンセプトで朝活をスタートしたことがきっかけです。 それぞれが先生となる人材を集めて、地域をプロデュースするクラス、ソーシャルの力で街を盛り上げる、ソーシャルクリエイティブクラスなどを運営。私はコミュニティーマネージャーとしてエンゲージメントや継続率を高めるイベントの企画・運営をリードしました。 Q4. 行動力が素晴らしいですね!テック業界で働く醍醐味を教えてください。 今までずっとマーケティング・コミュニケーション分野に携わってきたこともあり、人とモノ・サービス、人と人など何かを「繋ぐ」仕事が好きでした。今勤めているIT企業も、テクノロジーの力で情報を提供し、あらゆるものを繋ぐといったコンセプトに共感しています。 近年のAIの波もあり、これほどスピーディーにかつ常に情報をアップデートして勉強しないといけない業界は初めてで、自分自身も日々アップデートされていく感覚を味わえてワクワクします。 また、今勤めている企業に関わらず、外資の大手のテック企業は多様性やリーダーの育成に力を入れていることも魅力です。 Q5. 多様性やリーダーシップは、どのように推進されていますか? 実は、私は育休明け早々に採用されたのですが、今思えばそれもダイバーシティの一環だったのかなと思います。 というのも、私自身も面接官を務めることがあり、面接官向けの社内研修で、あらゆるバイアスを排除し偏見を取り払うために、候補者のプライベートに関しては面接中にメモを取らないというルールがあるんです。プライベートが採用基準に影響が出ることがなく、その人がこれまでにやってきた実績としっかり向き合うカルチャーが根付いています。 また、昇進・評価に関しても、対象となる人にリーダーシップのプログラムを提供したり、昇進の際もジェンダーの比率が偏らないようにしています。 Q6. プライベートが採用基準に影響しないのは素晴らしいことですね!詩織さんは、育休明けすぐに新しいキャリアのスタートだったと思いますが、特に不安はなかったですか? 現在の会社に入社した時に子供が1歳半で、肉親が地方に住んでいて近くに協力してくれる人がいなくて不安もありましたが、会社のサポート体制がとてもしっかりしているので、スムーズに働けています。 福利厚生でベビーシッターを利用したり、週2回の在宅勤務を活用したりバランスを取っています。今も第二子の産休を取得中です。 Q7. サポート体制が整っていると、キャリアプランやライフプランが描きやすくなりますね!ロールモデルはいらっしゃいますか? 2人子供を育てながら仕事をしている上司がいるので励みになります。 ただ、ロールモデルといっても1人だけでなく、たくさんいます。人それぞれ異なる環境で育っているので、100%自分と同じ状況の人を見つけることは難しいと思います。ですので、その方の尊敬できる部分を取り入れる、いわゆるパーツモデルとなる人を見つけられれば良いと思っています。 Q8. 「パーツモデル」面白い表現で響きました!企業の女性管理職の割合を30%にする目標がありますが、女性リーダーを増やすために、私たちにどんなことができると思いますか? シェリル・サンドバーグ著書の「Lean In」という本に、男女で積極性の違いに関する興味深いデータがありました。 仕事に応募するとき、男性は応募条件の50%が満たされていれば応募し、女性では100%に満たないと応募しない傾向にあるそうです。 私も採用側になってから気づきがありましたが、職務概要はあくまでも、こんな方に来て欲しいという理想像であり、100%合致する条件を求めているわけではないということです。なので全ての条件を満たしていなくても、譲れないコアの部分の経験やポテンシャルがマッチしていれば採用することもあります。 やってみたい、興味がある人に対しては、常に手を挙げたほうが良いよと伝えるようにしています。 Q9. とても勇気づけられるデータとメッセージをありがとうございます!それでは、組織にできることはなんでしょう。 意思決定の場に女性を増やしていく際に、集団の中で存在を無視できない、発言権が確保できるグループになるための分岐点があり、それを超えたグループを「クリティカル・マス」と呼びます。10人中3人マイノリティーがいると、それがちょっとしたマジョリティーとなり、その意見を元に新しい価値観やイノベーションが生まれると言われています。会社や組織の成長のためには、マイノリティー側の人も手を挙げること、意見を聞くことが大切ですね。 Q10. WITJのメンターの一人である、Makikoさんとも繋がりがあるそうですが、これからのキャリアプランニングに関してご意見はありますか? 信頼できる方からのメンタリングやキャリアコーチングは自分のキャリアを客観的に捉える上でとても大切なことだと思いました。私自身、外資系ラグジュアリー企業で初めて1on1を経験して、社内をはじめ社内外の方にもメンタリングを受けましたが、社内ですと内部の人に話せること、話せないことがありますし、クラッパーさんのように純粋に客観的にキャリアを見てくれる人は今でも大切な存在ですね。 WITJは、このRole Model…